Conor McGregor あるいは『サイコロジカル・ボディ・ブルース解凍』
小川直也がヒョードルを倒してしまうんじゃないかと本気で信じ、
年末になれば、今年こそは桜庭vs田村が実現するんじゃないかと思い、
せっせとさいたまスーパーアリーナに通っていた日々が、
まるで嘘だったかのように、僕はあるときからMMAを観なくなった。
意欲の欠片みたいなものまでもごっそりと抜け落ちたように、
本当に一切の興味を失って5年以上が経つ。
もちろんUFCによるPRIDEの吸収の影響もあるのだけれど、
Georges St-Pierreの最強っぷりには度胆を抜かされる想いがしたし、
それ以後もBrock Lesnarがヘビー級チャンピオンになったのには、
その痛快さに心躍るものもあった。
ただ今想えばこれは、離婚の決まった夫婦が分かれるまでの期間を
穏やかに過ごし、新しい生活へ緩やかに入っていくための
助走期間のようなものだったのかもしれない。
そんな僕が今やUFC.tvに加入し、Pay Per View放送を観戦し、
ニュースサイトではNBA情報と並んで真っ先にチェックするようになったのは、
この人、【Conor McGregor】の試合映像を観てしまったからだ。
Conor "Notorious" McGregor Highlights 2015 ...
I done it Ma :-) pic.twitter.com/n0AKbuStQW
— Conor McGregor (@TheNotoriousMMA) 2015, 7月 23
アイルランドはダブリン出身で現在は、UFCフェザー級暫定王者。
UFCに参戦するまでは、アイルランドの社会福祉事務所から、
貧困者向け手当を受け取っていた若者が、今やラスベガスに
豪邸を構える大スター。リアルガチ・アメリカンドリーマー。
まるで獲物に覆いかぶさるように近づいていくファイティングポーズ、
予想の斜め上をいくトリッキーでスピーディな回転技、
対戦相手を挑発し、興行を盛り上げるプレゼンテーション、
全身に施された刺激的なタトゥーと長い四肢、
そして何よりその試合内容。
全てが混じり合って、見ているだけでおしっこちびっちゃうような殺気と
妖しいまでの色気に満ち溢れているこの選手を観て、
「この選手の試合は必ず見ないといけない、UFCを観ないといけない」
と確信し、この数年間が嘘だったように、僕はまたUFCを見始めた。
そして、そのConor McGregorの次の対戦が遂に正式に決定した。
お相手は、前回対戦する予定で直前になって「敵前逃亡」した
現フェザー級王者Jose Aldo
毎年、ビッグカードが用意されるUFCの12月興行は、このスーパーカードと
更にもう一人のスーパースターRonda Rouseyの試合もあると
言われている。
Conor McGregorとRonda Rouseyを一日で見られる興行が
もう4か月後に迫っている。
更にUFCの日本開催ももう1か月後に迫っていて、
UFC in Japanはブレイク前夜の熱量になっている。
見始めるなら、今ですよ、ほんとに。