ようこそ男の世界へ
僕はPRIDEという格闘技イベントが大好きで、
佐藤大輔の描く煽り映像の世界観とリングの上で繰り広げられる
世界最高水準の格闘技にのめり込んでいた時期があります。
そのPRIDEが2007年、ちょうど高田延彦がヒクソン・グレイシーと戦った
1997年のPRIDE1から10年を経て、消滅することになりました。
(UFCブランドを持つZUFFA社にDSE社およびPRIDEブランドが吸収された)
PRIDEとして最後の興業となるPRIDE34を僕はさいたまスーパーアリーナで
観戦していましたが、そのオープニング映像を見ながら、
「あぁ、自分の会社は、10年続く、10年以上続く会社にしよう」と、
降ってきたかのように思ったことと映像とバックに流れる
"do you remember"のメロディを今でもはっきりと覚えています。
もうすぐ会社を作って丸10年になります。
会社を作るときはまだ大学生、ただただ無根拠な自信だけが頼りで、
今はやりのキラキラした「スタートアップ」とはまるで違う
古風な「起業」でした。
設立から事業がある程度軌道に乗るまでのめちゃくちゃな時代があり、
おっかなびっくりしながら手探りで事業を拡大していった時代があり、
いわゆる20代の若き理想と現実のギャップに苦しんで悩んだ時代があり、
地に足をつけて、チャレンジしようと再起する時代があり、
と、カラフルな四季を経験してきました。
色んな季節を乗り越えて、「身の程を知る」なんていう、
自分には全く縁のないと思っていた言葉の意味も
実感するようになったわけですが、
一方でどこまでが現実的な判断で、どこからが諦めなのかは
いまだに線引きが難しい。
さすがに無謀なリスクを受容してオールインするほどは若くはないけれど、
「こんなもんでいっか」と思うほどには老け込んでもいない。
いわゆるひとつのキャリアの交差点。
もっと誰かに認められたいという気持ちがないと言えば嘘になるし、
もっとお金を稼いで女の子にモテたいという気持ちもバリバリある。
ただそれとは別にただ純粋に「このままじゃ終われない」という気持ちが
確かにあって、
この気持ちというか希望みたいなものを大事に大事に磨いていって、
また新しい10年を作っていこうと思っている。
まずは自分のために文字にしていくのですが、これまでの経験で得たものや
新しい10年のチャレンジに際して思うことや考えることを文字にすることで、
一生会うこともないかもしれない誰かの役に立つことを願って。
タイトルは僕の大好きな漫画の大好きな登場人物より。